2025年9月5日 YURUスペースAMA 完全レポート

はじめに

2025年9月5日(金)夜21時より約1時間17分にわたり、X(旧Twitter)スペースにて「YURUスペース」と題したAMA(Ask Me Anything)セッションが開催されました。本セッションには341名の参加者が集まり、ゆるコインプロジェクトについて、その背景から最新の進捗状況、そして将来展望まで、包括的な情報共有と活発な質疑応答が行われました。

登壇者は、ゆるコインのCMO(チーフマーケティングオフィサー)を務めるリベルタ久保氏と、コミュニティの中心的存在であるGM氏の2名。両氏による対話形式で進行され、初めて参加する方にも理解しやすいよう、基本的な内容から丁寧に説明がなされました。

ゆるコインプロジェクトの基盤:ゆるキャラグランプリ(現ユルバース)について

誕生の背景と社会的使命

ゆるコインを語る上で避けて通れないのが、その母体となる「ゆるキャラグランプリ」(現在は「ユルバース」に改称)の存在です。このイベントは2011年、東日本大震災によって大きな打撃を受けた地方を元気づけ、活性化させることを目的として、西川会長によって創設されました。

単なる復興支援にとどまらず、日本が直面する少子高齢化と地方の人口流出という構造的な問題に対し、民間の立場から解決策を提示しようという壮大な試みでもありました。都市部に住む人々も、食料や生活必需品の多くを地方に依存している現実を踏まえ、地方創生は日本全体の問題であるという認識のもと、活動が展開されています。

文化的インパクトと経済効果

初代グランプリには、今や世界的にも知られる熊本県のPRキャラクター「くまモン」が輝き、その後もバリィさんをはじめとする数多くの人気キャラクターを輩出してきました。特筆すべきは、このイベントが「ゆるキャラ」という概念そのものを生み出し、日本の文化として定着させたことです。現在では地方自治体のみならず、多くの企業や団体が独自のゆるキャラを持つようになり、街中の看板や広告、商品パッケージなど、日常生活のあらゆる場面で目にするようになりました。

経済効果の面では、グランプリで優勝することは約30億円の広告費を投じてメディア露出を得るのと同等の価値があるとされています。さらに重要なのは、上位入賞した自治体のふるさと納税寄付金額が飛躍的に増加することです。実績データによると、5倍から10倍の増加は当たり前で、中には30倍にまで跳ね上がった自治体も存在します。この経済効果が、各自治体が本気でグランプリを目指す強力な動機となっています。

2025年ユルバースの現状と新たな展開

開催概要と投票システム

現在進行中の2025年ユルバースは、8月1日から9月28日までが投票期間となっており、最終日の9月28日(日)には東京・隅田公園(東京スカイツリー近く)にて決選投票イベントが開催される予定です。会場では15時から17時頃にかけて、各地のゆるキャラが集結し、最終的な順位が決定されます。

今年から試験的に導入された新しい投票方法として、以下の3つのシステムが稼働しています:

  1. 通常投票:公式サイトにログインして行う従来型の投票(1日1票)
  2. Amazon応援投票:Amazonでの決済金額の1/1000が票数として換算される仕組み
  3. ゆるコイン投票:1ゆるコインを1票として投票できる新システム(週次集計、月曜日反映)

特にAmazon応援投票は画期的なシステムで、ふるさと納税の返礼品選択も可能となっています。例えば、1万円のふるさと納税を行えば10票が入る計算となり、返礼品も通常通り受け取れるため、実質的な負担なく応援ができる仕組みとなっています。

東京タワーでのプロモーション展開

本AMA開催日である9月5日から、東京タワー内の施設「レッド東京タワー」において、ユルバース参加キャラクターの紹介映像の放映が開始されました。東京タワーには年間300万人、レッド東京タワー施設だけでも30万人以上の来場者があり、膨大な数の人々への露出が期待されています。久保氏は今後、QRコードを活用した問い合わせ機能の追加など、さらなるテコ入れを検討していることも明かしました。

ゆるコインの革新的なトークン設計

希少性を極めた発行枚数

ゆるコインの最大の特徴は、総発行枚数がわずか1,000万枚に限定されており、すでに全量が発行済みであることです。これはビットコインの2,100万枚と比較しても半分以下であり、イーサリアムの約1億枚と比較すると1/10という極めて希少な設定となっています。

多くのアルトコインが初期に30%程度しか発行せず、残り70%を数年かけて段階的にリリースする(インフレを起こす)設計となっている中、ゆるコインは新規発行が永久にゼロという完全デフレ型の設計を採用しています。これにより、一般的なアルトコインで見られる「上場時がピークで、その後は希薄化により価格が下落し続ける」という問題を根本的に回避しています。

独自のバーン&バイバックメカニズム

ゆるコインには価格上昇を促進する2つの重要なメカニズムが組み込まれています:

1. 投票によるバーン(焼却)システム ゆるコイン投票に使用されたコインの50%は永久にバーン(焼却)され、市場から完全に消滅します。残りの50%は地域振興基金として、実際の地方創生活動に活用されます。本AMAの時点で、すでに2,000枚以上のゆるコインが投票に使用され、1,000枚以上がバーンされました。これは総発行枚数の0.01%に相当し、わずか数日でこの量がバーンされたことは、今後の供給量減少ペースを示唆しています。

2. Amazon収益によるバイバック Amazon応援投票から発生する収益の一部は、ゆるコインの市場からの買い戻し(バイバック)に充てられます。初日だけで500万円の決済が確認されており、相当なペースで収益が発生していることが報告されました。このバイバック資金により、継続的な買い圧力が生まれ、価格の下支えとなります。

ビットコインを超えるデフレ設計

久保氏は、ゆるコインを「ゆるビット」と呼ぶコミュニティメンバーもいることを紹介しました。ビットコインは年間約1%のペースでまだ新規発行(インフレ)が続いているのに対し、ゆるコインは新規発行ゼロかつ継続的なバーンによって、真のデフレコインとなっています。この設計により、ユルバースイベントが続く限り、理論的には価格上昇圧力が継続することになります。

取引所上場の急速な拡大

今週の新規上場ラッシュ

本AMAが開催された週だけで、以下の4つの取引所への新規上場が実現または決定しました:

  1. WeeX取引所:先物取引の許可も取得済みで、間もなく開始予定。レバレッジ取引やショート取引が可能になることで、機関投資家やプロのトレーダーの参入が期待されます。
  2. Blofin:WeeXと同規模の取引所で、特定の国や地域で強い影響力を持つ。
  3. Toobit:上場初日で24時間出来高61万ドル(約100万ドル)を記録。全体の出来高1億数千万円の中で大きなシェアを占める。
  4. CoinStore:CoinMarketCapには未反映ながら、実質的な取引量を持つ取引所。

グローバル展開の加速

特に注目すべきは、海外の大手暗号資産インフルエンサーによるプロモーションが本格化していることです。フォロワー200万人規模のインフルエンサーを含む、約15名のKOL(Key Opinion Leader)がゆるコインの紹介を開始しており、その投稿は数十万のインプレッションを獲得しています。

久保氏は、各取引所が特定の国や地域で独占的な強みを持っていることを説明しました。例えばマレーシアでは、現地の人が利用できる取引所が3つしかなく、その中でも流動性があるのは実質1つだけという状況があります。このため、多数の取引所への上場は、単なる数の問題ではなく、世界中の投資家にアクセス機会を提供する重要な意味を持っています。

ティア1取引所への展望

現在、複数のティア1(最上位クラス)取引所との交渉が進行中であることも明かされました。参加者からは「Bybit(バイビット)への上場を期待している」という声も上がり、久保氏も「Bybitに上場したら涙が出る」と期待を込めて語りました。プロジェクトの認知度向上と実績の積み重ねにより、上場費用の交渉でも有利な条件を引き出せるようになってきているとのことです。

活発なコミュニティ活動「ゆる活」の展開

Discordを中心とした自発的な活動

ゆるコインのDiscordコミュニティは極めて活発で、「ゆる活」と呼ばれる様々な活動が自発的に展開されています。主な活動内容は以下の通りです:

  • 初心者サポート:暗号資産に不慣れな新規参加者に対し、ウォレットの作成から取引所での購入、送金方法まで、コアメンバーが自発的にサポート
  • 投票活動の推進:毎日の通常投票、Amazon応援投票、ゆるコイン投票の呼びかけと実施報告
  • 情報共有:最新ニュースや分析、投資戦略などの活発な議論
  • 「ゆるビット」文化:長期保有(ガチホ)を推奨し、4年間のロックアップ「ゆるカプセル」への参加呼びかけ

推し活を通じた地方創生

特筆すべき事例として、神社コミュニティ(CNPプロジェクト関連)が本日954票分のゆるコイン投票を実施したことが報告されました。これは単なる投資活動を超えて、推し活(応援活動)を通じた地方創生への貢献という新しい形を示しています。明日も継続して投票を行う予定とのことで、コミュニティの結束力と行動力の高さが示されました。

積立投資の推進

「積立ゆるコイン」や「ゆるコスト平均法」といった造語も生まれ、定期的な買い増しを推奨する文化が醸成されています。これは短期的な価格変動に一喜一憂せず、長期的な視点でプロジェクトの成長を支援しようという姿勢の表れです。

価格動向と市場分析

現在の価格推移

AMA開催時点でゆるコインは1.1ドル付近で推移しており、高値圏での安定した動きを見せています。チャート分析では、「上昇→調整→上昇→調整」を繰り返しながら、最終的に大きく上昇するカップパターンに似た形状を形成していることが指摘されました。

重要な点として、ゆるコインがビットコインや暗号資産市場全体の動きと連動するようになってきたことが挙げられます。これは、単なる国内のマイナーコインではなく、グローバル市場で認知され、投機対象として常に監視されているコインへと成長したことを示しています。

時価総額と成長余地

現在の時価総額は約10ミリオンドル(約15億円)で、CoinMarketCapランキングでは1,214位となっています。しかし、実際のプロジェクトの中身や将来性を考慮すると、この順位は著しく過小評価されているとの見解が示されました。

久保氏は「ランキングを上から見ていくと、名前は聞いたことがあるが実質的に死んでいるプロジェクトが、ゆるコインの何十倍もの時価総額を持っている」と指摘し、市場の非効率性と今後の成長余地の大きさを強調しました。

2025年以降の展望

来年のユルバース開催

2025年のユルバース開催場所については、具体名は明かされなかったものの、「そんなところでやれるの?」と驚くような大規模な会場が予定されているとのことです。これにより、参加ゆるキャラ数の大幅増加と、社会的注目度の飛躍的向上が期待されています。

また、来年からはゆるコイン投票が試験導入から本格導入へと移行し、投票における重要性がさらに高まることが予想されます。価格上昇に伴う投票減少の懸念については、1コインあたりの投票数を調整するなど、柔軟な対応が検討されています。

4年後の目標:時価総額1,000ミリオンドル

久保氏とGM氏は、4年後の時価総額目標として1,000ミリオンドル(現在の100倍)を掲げました。これは決して非現実的な数字ではなく、以下の要因により達成可能と考えられています:

  1. イベントの継続的な成長:年1回のユルバース開催により、定期的な注目と利用機会が確保される
  2. 累積的なバーン効果:4年間で相当量のコインがバーンされ、希少性がさらに高まる
  3. 認知度の拡大:国内外での取引所上場とプロモーション活動の継続
  4. 実用性の拡充:限定グッズ販売、NFT展開、地域振興での活用など、ユーティリティの多様化
  5. ガバナンストークンとしての機能:DAOとしてコミュニティの意思決定に参加できる権利

ステーキングシステムと「ゆるカプセル」

現在開発中のステーキングシステムでは、「ゆるカプセル」と呼ばれる4年間のロックアップ機能が実装される予定です。これは「タイムカプセルに埋める」というコンセプトで、短期的な価格変動に左右されることなく、プロジェクトの長期的な成長を共に歩むことを目的としています。

多くの参加者が過去のステーキングで失敗した経験を持つ中、ゆるコインは明確な戦略、実業との連携、完全発行済みという条件により、従来のステーキング案件とは根本的に異なることが強調されました。

質疑応答セッション

Q1: 価格上昇により投票に使われなくなるのでは?

回答:価格上昇に応じて、1コインあたりの投票価値を調整することが可能です。例えば、1コインで5票や10票といった形で、円との相関を考慮しながら柔軟に対応していきます。また、推し活という感情的な要素と経済合理性のバランスは、市場メカニズムによって自然に調整されると考えています。

Q2: プレゼントキャンペーンの規約上の問題は?

回答:今年から新しいレギュレーションでの開催となり、まだ試行錯誤の段階です。現時点では特に大きな問題は発生しておらず、他のゆるキャラ団体からの非難なども受けていません。運営側も柔軟に対応していく姿勢を示しています。

Q3: 実行委員会の組織体制について

回答:久保氏はゆるコインのCMOとして、トークンのマーケティングを担当していますが、イベント運営(会場設営、スタッフ管理など)は別チームが担当しています。意見の伝達は行いますが、最終的な判断は実行委員会が行う体制となっています。

本日のプレゼント企画

AMA終了後、60分限定(22:10まで)で特別プレゼント企画が実施されました:

プレゼント内容

  • 抽選で20名に10ゆるコインをプレゼント
  • 当選確率は約7%と高確率

参加条件

  1. 公式の「アフターミッション」投稿をいいね&引用リポスト
  2. 感想や気づきを添えて投稿
  3. ハッシュタグ「#YURUスペース」を付与
  4. 自身の投稿URLを公式投稿の返信欄に貼り付け

久保氏は「将来ゆるコインが大化けした時、10ゆるコインは相当な価値になる可能性がある」とコメントし、参加を呼びかけました。

9月28日決選投票イベントへの招待

最後に、9月28日(日)に東京・隅田公園で開催される決選投票イベントへの参加が呼びかけられました。久保氏は15時から17時頃に現地に滞在予定で、キーワードを伝えた参加者にはゆるコインのプレゼントも検討しているとのことです。

また、コミュニティの上位貢献者によるオフ会も同日開催され、数十名規模での参加が予定されています。リアルイベントを通じて、オンラインコミュニティの結束をさらに強める機会となることが期待されています。

総括:日本発のグローバルプロジェクトとして

本AMAを通じて、ゆるコインプロジェクトが持つ多層的な価値が明確に示されました:

社会的価値:13年の歴史を持つゆるキャラグランプリを基盤とした、地方創生への具体的な貢献

経済的価値:完全デフレ型トークン設計による長期的な価格上昇メカニズム

文化的価値:日本独自の「ゆるキャラ」文化を世界に発信する架け橋

コミュニティ価値:「ゆる活」を通じた参加型の価値創造

現在の時価総額10ミリオンドルという規模は、プロジェクトの実態と比較して著しく過小評価されており、今後の認知拡大とともに大きな成長が期待できます。特に、従来の暗号資産が持つ投機的な側面だけでなく、明確な社会的意義と実用性を併せ持つ点で、他のプロジェクトとは一線を画しています。

久保氏の「まだワンピースでゾロが仲間になった段階」「ポケモンで最初の3匹を選ぶ段階」「ガンダムでシャアが赤い彗星と呼ばれ始めた段階」という例えが示すように、ゆるコインの物語はまさに始まったばかりです。日本人が初期段階から参画し、プロジェクトの成長を共に作り上げていける貴重な機会として、今後の展開が大いに期待されます。

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